ご挨拶
第33 回 西日本肥満研究会
会長 窪田 直人
熊本大学大学院生命科学研究部 代謝内科学講座
この度、2026年7月11日(土)~12日(日)、熊本大学病院くすのきテラスにて、第33回西日本肥満研究会を開催する運びとなりました。伝統ある本研究会を担当させていただきますことを大変光栄に存じます。
本大会では、「肥満症診療の全方位戦略~未来志向の包括的肥満症治療~」をテーマに掲げました。
肥満症は、エネルギー代謝の恒常性破綻を基盤とし、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)、心血管疾患に加え、骨関節障害や一部の悪性腫瘍、睡眠障害、精神的健康問題に至るまで、極めて多面的な健康リスクを有する疾患です。その病態は、遺伝的素因に加えて、神経・内分泌系、免疫代謝系、腸内環境、心理社会的要因など、多岐にわたる要素が関与し、極めて複雑です。
本研究会では、食事・運動・薬物・外科療法にとどまらず、行動科学的支援、スティグマ対策、地域・社会資源の活用といった視点を統合し、多職種が連携することで、個別化され、包括的かつ持続可能な肥満症診療の実現を目指します。さらに、近年注目されるプレシジョン・メディシンや、エビデンス創出の新たな方法論についても、積極的に議論を深めたいと考えております。
盛夏の熊本にて、天候に負けない熱気あふれる議論を交わしながら、新たな知見と交流を育んでいただければ幸いです。また、会場周辺の歴史と文化に触れ、熊本ならではの美味も存分にご堪能いただきたく存じます。研究と学びの場であると同時に、皆様にとって心に残る交流のひとときとなることを願っております。
多くの皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。